人のお役に立てる仕事がしたい。 おそらく皆さんも同じだと思うのですけども、人のお役に立てる仕事に就きたいと思い、その中で、「お医者さんが良いな」と思うようになっていました。どうしてでしょうね、小さい頃に読んだ野口英世の伝記の影響か、あるいは、教師をしていた母が、「小さい頃は歯医者さんになりたかった」とつぶやいていたのが耳に残っていたのかもしれません。
私は当初から皮膚科医だったわけではないのです。初めは全身を診たいと考え、内科を選びました。しかし、大学の内科医という立場において、育児と仕事を両立させることは難しいものがあります。皮膚科という選択はその先にあったものなのです。
実のところ、皮膚科に転向した当初は、「簡単にできるものかな」と安易に考えていました。ところが実際に入ってみますと、その奥深さを思い知らされることになります。皮膚科は内科的な要素があると同時に、手術を必要とするような外科的な側面もあって、病理学の知識も必要になります。また、目で見て良くなったかどうかが一目瞭然なところは、面白いところであると同時に、難しいところでもあるんですね。本当、最初の頃は診察をするのにも冷や汗をかいていたものです。
1999年に『雑色皮フ科』を開院いたしました。私は結婚以来、ずっとこの近くに住んでいまして、雑色は非常に馴染みのある土地でした。その当時は皮膚科も少なかったようで、近所の方から薦められたこともあって、この土地を開業の場所としたのです(京浜急行・雑色駅から徒歩1分)。
↧