この職業を志したきっかけ、現在に至る経緯などをお聞かせください。 子どものころからサイエンスが好きで、物理や化学、数学、生物などのいわゆる理系の科目が得意でした。時間と空間の関係について考えたり、大自然に生きる動物たちの生態に関心を持ったり、サイエンス的な世界の神秘性を探求することが大好きでした。そんな中で高校生になり将来のことで理科系学部や獣医学部進学を含めいろいろな選択肢に迷っている時に、私を子どものころから可愛がっていてくれた叔父が、ポンと背中を押してくれました。叔父は戦時中に従軍しており、その際に軍の獣医師が軍馬を、人馬一体の精神で育てていた姿を見て尊敬していたそうです。加えて、「獣医師は資格があって一生涯勉強をして知識・技術を磨き、立派に社会の役に立つ、良い職業だぞ」とアドバイスしてくれたんです。
実際に獣医学科に入り、臨床の現場で多くの動物や人と出会い、これほど奥が深く面白い仕事はないと思うようになりました。
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