この職業を志したきっかけ、現在に至る経緯などをお聞かせください。 父が整形外科医で、私は病院の宿舎という少し特殊な身体に不自由な方が身近にいる環境で幼少期を過ごしました。幼い頃から夢中になると周りが見えなくなる性分でしたので、父からは「サラリーマンには向かないから、将来は手に職をつけられる仕事に就きなさい」と言われて育ちました。本当は屋久島で生態系生物学の研究をする仙人のような研究者になりたかったのですが、今となっては歯科医師という仕事が天職だと思っています。
大学卒業後は総義歯の大家である先生の元で研鑽を積み、免許皆伝を受けました。私がインプラント治療に興味を持ったのはその後、法人経営の医院に勤めていた時の勉強会で、インプラント専門家の今間先生に出会った時のことです。今間先生の仕事はとても手際が良く丁寧で、当時の私に鮮烈な印象を残しました。それから総義歯もやれる上にインプラントもできたら、もっと患者さんに寄り添った治療ができるはずだ、と今間先生に弟子入りすることを決めたのです。残念なことに今間先生はご病気で若くして亡くなられてしまうのですが、学んでいる間、私はしっかりと先生の技術と意志を受け継ぐことができました。それから私は今間先生の流れを汲みつつ、より患者さんへの負担を少なくする、自分の理想の治療を行うために開業を決意したのです。
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