この道に至るきっかけと、これまでの経緯をお聞かせください。 私の実家は医家の3代目にあたり、祖父の代に山形から上京し、蒲田へと出てきて、それを戦後に父が継ぎ、私が5代目を継承したという形になります(JR京浜東北線・蒲田駅より徒歩7分、東急池上線・蓮沼駅より徒歩2分)。
耳鼻科医の息子ですから、周囲からはそうなることが当然のように見えていたかもしれませんが、私自身はそうとっていませんでした。むしろ、リハビリに興味を持ち、その方面に進もうと考えていたこともあったのです。それが、当時師事していたヨガの先生から、「小さいなところから大きな世界に出なさい」とアドバイスを受けたことで考えが変わりました。耳や鼻、のどというのは、身体全体を見れば大きくはないですよね。その小さなところから大きなものを診ていく。耳鼻科を通して生きてる人間全体を診ていくというチャレンジは、私にとって大きなモチベーションとなったのです。
海外発の、アントロポゾフィー医学という分野があります。これは人を丸ごと診ていくのが大きなコンセプトでして、私は今、このアントロポゾフィー医学に積極的に取り組んでいます。欲張りだとは思うのですが、私にしかできないことを見つけ、それを必要とする患者さんに出会うことができればと思っています。
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